ヘッジファンド

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ヘッジファンドという言葉は知っていても、その意味や一体どのようなことをしている人(もしくは集団)なのか知っている人は多くはありません。それはヘッジファンドの語源でもあるのですが、ヘッジ(Hedge)つまり垣根で外から見えなくないようにしている為であり、外に情報が出てこないのが普通だからです。ここではそんな謎だらけのヘッジファンドについて詳しく掘り下げていきたいと思います。

ヘッジファンドとは

ヘッジファンドがどうしてヘッジファンドと言われるようになったかというと、その語源は先に述べたようにヘッジファンドのヘッジとは垣根という意味があり、外からは何をやっているのか見ることができない内密なものという性質があります。

もう一つヘッジファンドのヘッジにはリスクヘッジの言葉のようにヘッジを掛けるという意味があり、それは上げ相場や下げ相場どのような相場でも利益を上げることを目的としているという二つの意味があると言われています。

もう一つ特徴があり、それは他者から出資をしてもらうのですが、あくまでも多くの人から資金を集めるのではなく特定の人のお金を運用するということです。つまり投資信託のように公募として広く多くの人のお金ではなく、私募であるということです。

ヘッジファンドの報酬

ヘッジファンドと聞くとすごいお金持ちというイメージを多くの方が持っているものと思われます。実際に海外のヘッジファンドを運用している著名なファンドマネージャーは何億という単位ではなく何百何千億という額の報酬を得ている方がいます。兆の単位の総資産を保有する方もいる想像をはるかに超えるお金持ちです。

そんなヘッジファンドを運用するファンドマネージャーの報酬はどのくらいにかというと、業界にはスタンダードとされる標準的な報酬基準があり、それは運用資産の2%と運用成績の20%を報酬としていただく2−20(ツー・トゥウェンティー)が一般的とされています。

つまりあるファンドマネージャーが数名の個人や企業から100億のお金を集めて運用を開始したとして、1年間で5億円の利益を上げたと仮定します。その場合、運用額である100億の2%である2億円と運用成績である5億円の20%である1億円を足して3億円がその年の報酬として支払われるという計算になります。

もちろん全てのヘッジファンドが2−20(ツー・トゥウェンティー)の報酬を取っているわけではなく、あくまでも業界のスタンダードというだけであり、優秀なヘッジファンドならさらに高い報酬を支払っても良いので運用して欲しいというのであればそれ以上の報酬を得ることもあります。実際にヘッジファンドの王者と言われるジェームズ・サイモンズが創業した資産運用会社ルネッサンス・テクノロジーズのファンドは運用手数料として運用額の5%、運用成績の成功報酬は44%と標準的な報酬よりも極めて高い報酬を得ていますが、それでも世界中から運用して欲しいと資金が殺到するのは優秀なファンドマネージャーの証左であると言えます。

ヘッジファンドの取引手法

ロング・ショート

相場の世界では買いポジションをロング、売りポジションをショートと表現します。つまりロング・ショートは買いポジションと売りポジションを同時に保有するという意味です。何を買って何を売るのかが最大のポイントなのですが、株式なら業績の良い銘柄を買いポジション、逆に業績が悪い銘柄の空売りポジションを取る戦略です。相場が上昇相場なら業績の良い銘柄が買われて大きく株価が上昇し、業績の悪い銘柄は地合いの影響を受けて少し上昇するか少し下落するでしょう。しかもロング・ショートの優れている点は地震やテロなど、予測するのが難しいが、株価や指数が大きく下落するような出来事に対して、買いと売り両方を保有しているのでリスクヘッジの要素もあることです。

日本人がヘッジファンドを立ち上げるときに一番多いのがこのロング・ショートを主な戦略とするヘッジファンドです。日本人は日本語を話し読めるので個別企業をファンダメンタルズを外国人よりも深く理解することができます。また日本株アナリストが独立してヘッジファンドを立ち上げることもあります。

それに上記のヘッジファンドの報酬のところで説明した運用資産に対して標準的な報酬率として2%の報酬を得るとありましたが、ロング・ショート戦略では買いポジションと売りポジションの両方でポジションを取るので単純に2倍運用する額が大きくなります。そうすれば得られる報酬が多くなるので日本人のヘッジファンドにロング・ショート戦略が多い理由です。

マネージドフューチャーズ

CTAと称されるヘッジファンドの種類があり、Commodity Trading Advisorの頭文字を取ってCTAと呼ばれています。日本ではそのまま訳されて商品投資顧問業者と呼ばれたりします。商品とありますが、運用する投資先は現物株や為替(FX)、指数先物、商品先物、債券と様々です。CTAにはいくつかの特徴があり、ここ数年市場の注目を集めています。

CTAには以下の4つの運用手法があります。中でも一番多いとされるのがトレンドフォロー型でヘッジファンドの世界ではトレンドフォロー型とは言わずにマネージドフューチャーズといいます。

  • トレンドフォロー型   相場のトレンドに追随して売買を積み上げる
  • カウンタートレード型   上昇・下落トレンドの反落・反騰を利用して売買をおこなう
  • ブレイクアウト型   ポイントとなる値段を超えると売買をおこなう
  • ボリューム&モメンタム型   出来高・相場の方向性によって売買をおこなう

多くの場合、コンピューターによるあらかじめ決められたルールによって組まれたプログラム売買が中心であり、極力人間の感情は排除されています。中にはコンピューターによる自動売買ではなく、ファンドマネージャーによってトレンドを取りにいくファンドも存在します。非常にリターンのボラティリティーが高い手法であり、その手法自体は外部に漏れることはほとんどなく、ブラックボックス化しているのが特徴です。

日経225先物では、よく欧州系の外資系証券会社(クレディスイス証券やソシエテ・ジェネラル証券等)の手口が見られますが、こうしたトレンドを取りにいくマネージドフューチャーズを手法をしたヘッジファンドからの注文だと言われています。トレンドを取りにいく手法の為、マーケットにトレンドが表れると大きく手口を傾けるのでマーケットでは特に目立つ存在です。

こうしたマネージドフューチャーズを手法とするヘッジファンドは大きくレバレッジを掛け日本の株式指数先物だけではなく、アメリカ株指数先物や欧州株指数先物も同時にポジションを取るので、日本の株式指数先物では損失となってもその他の市場で利益を出している可能性もあります。

勿論、株式指数先物だけではなく、為替や債券でも同時にポジションを取る場合が多く、一つのポジションだけの損益ではなく全体のポジションでの損益が重要になってきます。

ヘッジファンドで働いたり、ヘッジファンドを設立したい場合

金融のフロント(収益を出す部署)は給料の高さやカッコ良さから憧れる方は非常に多いです。ヘッジファンドも報酬の高さが魅力であり、大きな金額を動かすことから世界への影響力などヘッジファンドで働きたい、もしくは自らヘッジファンドを運営したいと思う人は多いかと思います。しかしヘッジファンドで働く、ヘッジファンドを運営する両者ともハードルは高めなのが現状です。

ヘッジファンドで働くには

ヘッジファンドで働くには様々な方法があります。世界にはたくさんのストラテジーで運用されているヘッジファンドがあるのですが、日本に住みながらヘッジファンドで働きたいのなら選択肢は少し小さくなります。まず日本で活躍しているヘッジファンドはロング・ショート戦略をとっているヘッジファンドが一番多いで、募集しているヘッジファンドもロング・ショート戦略のヘッジファンドが多いです。つまり企業を深く調べることができるアナリストなどはヘッジファンドに向いているが、株の短期売買で成功している、もしくは将来アルゴリズムを組んでHFTなどを利用して収益を上げたいと考えていても募集自体が少なく向いていないのが現状です。

逆に言えば将来ヘッジファンドで働きたいと思っているなら財務諸表や企業分析が得意など、一定のスキルを伸ばしてから応募すれば採用される確率が高いと言えます。それ以外のストラテジーの分野で活躍したいと考えているなら日本ではなく、シンガポールやアメリカなど海外で活躍することを目指す方が良いと思います。

それか株や先物のアウトライトの短期売買、スイングトレード、ロング・ショートで自信がある方なら証券ディーラーを目指すのも良いと思います。証券ディーラーについては証券ディーラーのページで詳しく説明していますが、ヘッジファンドのトレーダーの募集は少ないですが、証券ディーラーは今もたくさんの会社が募集しているので採用される確率はヘッジファンドよりも高いと思います。証券ディーラーで成功をして自らヘッジファンドを立ち上げた方も何人も実際に居ますので興味がある方は考えてはいかがでしょうか。

ヘッジファンドを設立するには

自らヘッジファンドを立ち上げるのは想像する以上にハードルは高いのが現状です。特に日本にヘッジファンドを立ち上げるのは大変です。自己資金を運用するだけなら簡単にスタートすることができますが、他者のお金を運用する場合は例えば東京なら関東財務局に登録が必要となり、登録をするだけでも資本金5000万円以上、取締役会設置会社で、かつ実績と継続的な運用実績の報告など、ヘッジファンドとして他者から資金を集めるまでにやらなければならないことが非常に多く、面倒なことが多いです。その他にもヘッジファンドの運用を手助けしてくれるスキルを持った証券会社やカストディアンの存在など日本は海外に比べて何周も遅れているのが実情です。

なので日本人でも比較的規制が緩くバックアップ体制が構築されており歴史もある海外(特にシンガポール)に拠点を置くファンドマネージャーが多いのです。

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