株式市場で使われている代表的なアルゴリズム取引

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株式市場で使われている代表的なアルゴリズム取引を紹介します。

TWAP注文

TWAPとは、Time-weighted average priceの略であり、大口注文を均等に分割して等間隔あるいは適当なタイミングで執行するアルゴリズムです。

機関投資家やファンドマネージャーが発注した注文を均等に分割して市場に発注するだけというシンプルなロジックです。

  • 均等の数量の注文をする(例:10000株の注文を1000枚×10回に分けて発注する)
  • 均等な時間に注文する(例:1分毎、5分毎、15分毎、30分毎)

日経225先物Topix先物で時折見られる、2~3分おきに数枚の注文が一定期間出し続けられるのがTWAP注文です。

大口注文を一度に発注しますと、その注文が引き金になり、大きく価格が動いてしまうマーケット・インパクトを抑制するのが主な目的です。

注文の小口化で他の市場参加者への影響度を抑えるのですが、ある一定間隔(1分おきなら1分おきに、2分45秒おきなら、2分45秒間隔で繰り返し)で注文が執行され続けるので、察知するのは容易です。

勿論、現物株においてもTWAP注文は執行されていますが、流動性がそれほど高くない銘柄が多く存在し、あまりTWAP注文は行われていないのが現状です。

流動性が高くない銘柄でTWAP注文が執行されると容易に察知され、デイトレーダーや証券ディーラーに先回りの注文を出される可能性が高いからです。

それでも確実にTWAP注文は行われており、小口の注文も一日単位ですと、非常に大きな取引となる可能性があります。

VWAP注文

VWAP注文とは大口取引の執行価格をVWAPに近づけるためのアルゴリズム取引です。

大口注文を過去の平均的な日中出来高分布に応じた割合で分割し、適当な時間間隔で執行するものです。

資産運用を主に日本株で行うファンドマネージャーや日本株を多く保有する機関投資家では、VWAP注文で取引を執行することが多いです。

マーケットインパクトを出来るだけ抑制しようと考える機関投資家はVWAPから極端に離れた価格での約定は、それだけリスクが高くコストも高いものになると考えてます。

ですので、なるべくVWAPに近い数値での執行は非常に良い執行であると評価が与えられます。

TWAPでは注文の全体数量を均等分割した数量を均等な時間に分割発注していきますが、VWAPではこのうち時間または数量のどちらかが変化します。

  • 均等時間(固定) + 数量(変数) タイプA
  • 出来高時間(変数) + 固定数量(定数) タイプB

TWAP注文やVWAP注文はアルゴリズム取引の中でも比較的メジャーなアルゴリズムです。

機関投資家やファンドマネージャーのような大口投資家が買いと売りどちらに注文を出してきているか、また傾けてきているかを早期に察知することが出来れば、非常に有利にトレードを行えます。

アイスバーグ注文

アイスバーグ注文とは、簡単にいえば、大口注文をどのくらいの注文を執行したかをマーケットに読み取られないために、一つの注文を分割(スライス)して行うアルゴリズムトレードです。

一つの注文で100万株買いとすると、マーケットに一つの主体が100万株の買い注文を執行したのが歩み値等で分かってしまいます。

そうした大口注文が一つの主体(ヘッジファンドや機関投資家)かどうかを察知されないために、行われるのがアイスバーグ注文です。

基本的に指値板情報に応じて、最適化された分割発注株数を指値注文されます。

日中の値動きを見ていますと、取引が盛んに行われている銘柄のほとんどでアイスバーグ取引を確認することが出来ます。

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上記の歩み値は9月28日の三菱UFJフィナンシャルグループ(証券コード:8306)の歩み値です。

12:40:14にトータル1,095,000株の売り注文が約定していますが、1秒のあいだに注文が殺到しているのがわかります。

結果として370円の買い板は全て、この大口注文によって売られてしまいました。

約定は1,095,000株の出来高ですが、おそらく大口の投資家が100万株の売り注文をアイスバーグのアルゴリズムを利用して出したのではと推測しております。

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この歩み値は日経225先物の歩み値ですが、16:40:48に注文が殺到していますが、一つの主体が一体何枚の注文を出したのか分からない状態になっています。

アイスバーグ取引を比較的よく見られるアルゴリズム取引ですが、このアルゴリズムを使用する最大の目的は、注文数を読み取られないようにするためです。

一つの注文で100万株もの注文が市場に出ますと、当然マーケット・インパクトが発生しますが、その注文が一つの主体なのか二つか三つかと分からなくすることが可能です。

特にヘッジファンドは自らのあらゆる情報が漏れることを嫌います。アイスバーグ取引もそのためです。

ステルス注文

ステルス注文とは、ヘッジファンドが空売りをおこなう際によく使われるアルゴリズムです。 ステルスの本来の意味は「こっそり」「隠れる」などですが、アルゴリズム取引におけるステルスにおいても同じように取引注文を「こっそり」「隠れる」ように出すアルゴリズムです。

あらかじめ指定した価格に買い注文が並んだ時、または売り注文が並んだ時に瞬時に反対の売買をおこなうアルゴリズム取引です。

具体的には、ある株が100円買い、101円売りと買い注文売り注文が板に並んでいたとします。

その後、101円の売り注文が全て買われて、101円に買い注文が並んだ時に、瞬時に101円の買い注文の板に売りを出すのです。

さらに具体的に説明をすると、101円に売り注文が50万株あったとして、誰かが101円に70万株の買い注文を出したとします。

その101円で10万株のステルス売り注文が設定されていたら、瞬時に10万株は約定して、101円の買い注文は残りの10万株の買いだけが並ぶことになります。

上の例えでは、10万株のステルス売り注文でしたが、これが100万株といった大口の注文でしたら、買い板に注文が並ぶことは無く、ステルス注文を枚数を消化する買い注文が入るまで、101円は買いにはなりません。

このようにあらかじめ売り注文を出しておくと、板に対してインパクトを与えてしまい、買い注文が呼び込めない場合などには、ステルス注文がよく使われており、空売りをする場合や、長期で少しづつ保有株を処分したい場合などによく使われるアルゴリズム取引です。

 

一般的にアルゴリズム取引とは注文方法を指します、プログラムにより自動的に超高速で注文を出したり、消したりするものはHFTのことをアルゴリズム取引と呼ぶ場合があります。

詳しくはHFTが用いるとされる代表的な投資手法をご覧ください。

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